護身術は性犯罪に対して効果があるのか?

レイプに対する4種類の抵抗戦術

レイプへの対抗戦術には概ね、以下の4種類が考えられます。

強力な身体的な抵抗
殴る・蹴る・引っ掻く・噛みつく・武器の使用
強力な言葉による抵抗
助けを求め、叫ぶ、加害者を脅かす言葉など
強力ではない身体的抵抗
逃げようとしたり、攻撃者を突き飛ばしたりすること
強力ではない言葉による抵抗
泣く、懇願する、犯人を諭そうとするといったこと

効果の有る抵抗戦術

バートルとバートル(2010)、によると、以下の抵抗を実施すると、暴力的な性的攻撃とレイプ被害を少なくすることに効果的あることが明らかになっています。

強力な身体的な抵抗

「強力な身体的な抵抗」とは、殴る蹴る、噛み付くなど、レイプ犯と格闘する事を指します。この抵抗が成功した場合には、レイプされる可能性を低下させますが、身体的に傷付けられる危険は増大します。

ストロング(2005)によると、レイプ犯に襲われた場合に、レイプさえる事よりも、怪我をする事を恐れる女性は、レイプされる可能性が高まります。

強力な言葉による抵抗

「強力な言葉による抵抗」は、助けを求め、叫ぶ、レイプ犯を脅かす言葉、などレイプ犯が犯罪の発覚を恐れるような言葉を指します。この抵抗が成功した場合に、レイプされる可能性を低下させますが、被害者が受ける身体的な怪我の程度がどうなるかは不明です。

強力ではない身体的抵抗

「強力ではない身体的抵抗」とは、逃げようとしたり、レイプ犯を突き飛ばしたりすることを指します。この抵抗が成功した場合は、レイプされる可能性を低下させ、被害者が受ける怪我の程度にはほとんど影響しません。

これらの抵抗戦術を実施する順番としては、リスクが少ない方法から実施すると良いでしょう。襲われた状況によって順番が入れ替わるのは当然ですが、多くの場合で「逃げる」→「呼ぶ」→「格闘する」という順番になるでしょう。

効果の無い抵抗戦術

強力ではない言葉による抵抗

「強力ではない言葉による抵抗」とは、泣く、懇願する、犯人を諭そうとする、といったことで、格闘術を含まないレイプ予防プログラムの中には、こうした抵抗を推奨しているものもあります。

この抵抗方法には、ほとんど何の効果も無く、一般にレイプされる可能性を大きくするが、身体的な怪我を少なくすることは無いと言われています。また、犯人が図に乗るため、強く抵抗した女性よりも、性的、肉体的により攻撃されることが分かっています。

ただ、これらの研究は、暴力がともなう危険な性犯罪者による暴力に焦点を絞ったもので、暴力のともなわない知人によるレイプに対して同じ結果になるかは不明(そうした研究が行われていないため)となっています。

知人による性暴力

知人による、身体的暴力がともなわず嘘や騙しによって従わせるタイプの性暴力にも、加害者が女性の身体に触った時点で「強力な抵抗」が実施出来ればレイプされる可能性を低下させる効果があると思われます。

しかし、知人による性暴力は、性暴力におよぶ前に嘘や騙し、社会的地位や差別などで、「強力な抵抗」を女性が選択できないような状況に追い込んで実施されますので、攻撃を受ける前の日常生活から用意しておかなければ、抵抗することは難しいでしょう。

日常生活での抵抗戦術

日常生活における抵抗戦術は、日頃から、性暴力にはどのような種類があるのかを学び、自分にとって許せる範囲と許せない範囲の境界線をハッキリさせておき、誰かに境界線を超えた行為をされたら、態度と言葉で拒否をする、といった流れになるでしょう。日常生活の中で、性暴力に抵抗する意志を示すことが、顔見知りからの性暴力を抑止する力になるのです。

国家が国境を定めて、国境警備隊を配置し、隣国が国境に近付いたら警告を与える、といった事と似ています。

こうした、日常生活の中における、言葉と態度による抵抗と抑止の戦略を女性護身術であるパラベラムは重視しています。これは、女性護身術と「女性向け護身術」の大きな違いでしょう。

他人に抵抗しろと言う権利は無い

レイプ犯に襲われた場合に、どのような抵抗戦術を実施するのかは、被害者本人だけに決める権利があり、他人に抵抗しろと言う権利は絶対にありません。

例えば「格闘」をしなかったからと言って、被害者はレイプを受けいれた訳ではなく「殺されるよりはマシ」という苦渋の選択があっただけなのです。

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